ハンターストン・ブローチ
現在、スコットランドのエディンバラにあるスコットランド国立博物館(National Museum of Scotland)に所蔵されている『ハンターストン・ブローチ(The Hunterston Brooch)』。エディンバラに語学留学していた時は一度しかこの博物館に行けなかったし、ブローチのこと知らなかったし、見た記憶もないという残念な状況ですがそれも人生。今回はこのハンターストン・ブローチに関するお話です。
このブローチは、1826-30年頃にスコットランド、ノース・エアシャーのハンターストン(Hunterston, North Ayrshire, Scotland)近くで発見されたとされています。これはAD700年頃に作られた非常に重要なケルトのブローチとされ、かつては金、銀、琥珀の装飾(ほとんどが行方不明)がふんだんに用いられ、金線や粒を用いたフィリグリー(filigree)と呼ばれる技法によって動物が贅沢に装飾されている繊細で精密なブローチです。
Source; Wikipedia By National Museums Scotland - National Museums Scotland, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107480818 |
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かつて、ダブリンのタラ・ブローチについても書きましたが、このハンターストンのブローチも明らかにステータスのかなり高い人物の所有物であることは誰が見ても一目瞭然です。富と権力、信仰心の象徴。そしてこれは、スコットランド中部の高地、大西洋岸に面したアーガイルのドナッド(Dunadd in Argyll)などの王室の場所で作られたと考えられており、アングロサクソン、アイルランド、アイルランド・スコットランドなど装飾金属加工技術にかなり精通した、非常に熟練した宝石商によって作られた作品だと考えられているそうです。そりゃそーだよね。素人目に見ても凄いと思うもん。因みに、このレプリカもあり、ノース・エアシャーのハンターストン城に展示されているそうです。
参照;
- Hunterston brooch (nms.ac.uk)
- Glenmorangie Research Project: the Hunterston brooch | National Museums Scotland Blog (nms.ac.uk)
- Wikipedia
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