エセルフレッド

エセルフレッド(Ethelfleda of Mercia / Æthelflæd; c.870-918)といっても、ピンとこないかもしれない。エセルフレッドはアルフレッド大王の娘です。いやね、TVドラマ『ラスト・キンダム(The Last Kingdom)』シーズン2を見ていて、彼女のことがちょっと気になったんです。

Source; Wikipedia


イングランドはヘプターキー(七王国時代)と呼ばれる時代があって、大きくは『ノーサンブリア王国、マーシア王国、イースト・アングリア王国、エセックス王国、ウェセックス王国、ケント王国、サセックス王国』の7王国に分かれていました。そして、それはヴァイキングによるイングランドへの侵入が活発化した時代であり、あちこちでバトルが繰り広げられていた訳です。そんな中、イングランド統一を図り、ヴァイキングに対し『まぁまぁ、話し合いをしようじゃないかい(噛み砕いて表現しています)』と共存と平和を持ちかけようとしたのがウェセックス(Wessex)のアルフレッド大王だったのです。アルフレッド大王は妃エアルフスウィス(Ealhswith)との間に3男3女を儲けていて、その長女エセルフレッドが今回のお話という訳です。

彼女は後にマーシア王国(Mercia)のエセルレド(Æthelred, Lord of the Mercians)と結婚するんですよね。ま、いわゆる戦略結婚です。彼女はドラマの中で、賢くて芯の強い女性に描かれている。実際、彼女はおしとやかなお姫様イメージではなく、教養があり、剣術などにも長けていて、父の影響を受けて育ったようです。

彼女は後に『マーシアの貴婦人(Myrcna hlædige; Lady of Mercia)と称されています。なぜなら夫の死後、政治的役割を担うという、歴史においても重要な役割を果たしてきたから。例えばヴァイキングの襲撃を防ぐために弟と共に町に防衛システムを構築している。さらには軍を率いてヴァイキングの攻撃にも対応している。そんなたくましい女性だったんですね。

彼らが築いた要塞の一つがブリッジノース(Bridgtnorth, Shropshire)に建てられたそうで、それは現在の城跡にあったと考えられているようです。ブリッジノースなら行ったことあるぞ。と思って引っ張り出してきた写真がコレ。またしても、歴史と自分が訪れた場所が繋がった瞬間でした。この城跡の危うそうに傾いた姿が印象的だったんですよね。これは内戦(Civil War;1642–1651)によるダメージだそうで、15度傾いているそうです。


そんなエセルフレッドは918年6月12日、マーシアのタムワース(Tamworth)で亡くなっています。彼女の遺体は、ウェセックスのグロスター(Gloucester)まで運ばれ、夫の隣に埋葬(St Oswald's Priory)されたのだとか。今回のように、中世時代の女性の活躍を知るのはとっても興味深いですね。

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