ワイルドストロベリー
いちご、『ストロベリー(Strawberry)』という名前は、古英語「streawberige、streaberie」から来ています。『ベリー(berry)』は果実、『ストロー(Straw)』は藁の他にも「散らばっている、まき散らされているもの」を意味し、いちごは「走出枝(そうしゅつし)」と呼ばれる茎を伸ばして株を増やすことから、この言葉はおそらくあちこちに果実がなる性質に由来していると言われています。ワイルドストロベリー(野イチゴ)は、一般的なイチゴよりも小さく、濃厚で甘い味が特徴で、古くから食用や薬用として利用されてきました。原産地は主にヨーロッパやアジアですが、北米など世界各地に広く自生しており、日本でも明治ごろに入り、野生化していて、ヘビイチゴなどと呼ばれているそうです。和名が凄いですね。。。その語源はヘビが食べるイチゴ、ヘビがいそうな所に生育する、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うなど諸説あるようです。
さて、ウェッジウッドにもそんなワイルドストロベリーを用いた可愛らしいシリーズがありますよね。それがワイルドストロベリー・シリーズ。写真のこちら、チャリティーショップで見つけて購入しました。確かに、ストロベリーのデザインってどれも可愛らしいですよね。これらはバラ売りでしたが全部で£5もしなかったのでお買い得でした。最近、可愛いトリンケットボックス(右のもの)を見つけるとコレクションしてしまう。。。
「キューガーデン(キュー王立植物園); Royal Botanic Gardens, Kew」によれば、ワイルドストロベリーはかつてイギリスに広く分布していいましたが、1930年代以降、肥料の使用増加、干し草の収穫時期の早まり、草食動物の排除といった田舎の管理方法の変化により、野生の花が咲く草原の97%が劇的に減少したことで、イングランドでは準絶滅危惧種に分類されているそうです。因みにキューの「ミレニアム・シード・バンク(Millennium Seed Bank)」には、イングランド、スコットランド、北アイルランドから収集された13個の野生イチゴの種子が収められているようです。
私の地元エセックスには、ティップトゥリー(Tiptree)という小さな町があり、そこにあるジャム製造会社ウィルキン&サンズが有名です。ウィルキン&サンズでは様々なジャムを製造販売しており、『リトル・スカーレット(Little Scarlett)』という名のワイルドストロベリージャムも販売しています。このワイルドストロベリーは、かつてこの会社を所有する家族の一員C.J.ウィルキンが、この植物が自生する米国を訪れた後に、1900 年代に英国に持ち込み、ウィルキン&サンズで唯一この果物を商業的に栽培しているものだそうで、他のジャムに比べ得ると製造数は少ないと思います。
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