シェークスピア語録-Lonely

『ロンリー(lonely)』という言葉を聞くと、私は個人的にジェイソンのロンリー・パーティーという言葉を思い出します。ジェイソンとは語学留学をした際に出会った香港出身の男の子。彼のお家はお金持ちで、その後あまり学校には出てきませんでしたが、最初に出会ってパーティーをするからとお家に誘ってくれました。私も来て間もなくだったこともあり友達もいなかったので、同じく誘われた中国人の男の子と遊びに行って、飲んだり食べたりしていたのですが、他に人が来なかった。。。ということで即、ジェイソンのロンリー・パーティーという名が付きました(笑)。

『ロンリー(lonely)』とは一人ぼっちで寂しいという“感情”を示すことば。『アローン(alone)』という言葉もありますが、こちらは独りぼっちという寂しい“状況”を示すことばです。もともとは『Lone』から派生した言葉で、「完全に自分ひとり」=『all (すべて)』+『ana(一人、ひとつ)』という古英語『all ana』の短縮形に由来しています。

シェイクスピアの時代、孤独と言いう意味で『alone』や『lone』などは一般的に使われていたそうですが、シェークスピアがその孤独という“感情”を示す『lonly』という形容詞を生み出したと言われています。この単語はシェークスピア後期の悲劇『コリオレイナス(The Tragedy of Coriolanus; Act IV, Scene I)』の中で、追放によりローマを離れるコリオレイナスが家族や友人に語る言葉の中に登場します。
Coriolanus: “…though I go alone, like to a lonely dragon, that his fen Makes fear’d and talk’d of more than seen –your son Will or exceed the common or be caught With cautelous baits and practise. .”
意訳すると、「孤独で寂しいドラゴンのように、私は一人で旅立つけれども、ドラゴンが住むとされる荒涼とした危険の潜むフェン(沼地)という場所は、見た目以上にドラゴンの怖さを引き立てる要因となって語られているものです。あなたの息子も優れているのだから、どこへ行こうと負に飲み込まれることなく、新たな場所をもプラスにして功績を築きますよ。」的な意味だと思います。かなり意訳しました。。。自分の事をあなたの息子と表現しているので、コリオレイナスは特に母親を安心させたかったのでしょう。孤独というものは常に自分との戦いでもありますからね。これから立ち向かわなければならない孤独を見据えて自分を奮い立たせるための言葉だったのかもしれません。


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